太陽光発電を設置するメリットデメリットで語られないこと

住宅設備

太陽光発電を各家庭の屋根に!というのが環境省大臣の小泉進次郎氏の主張なのだが、国民にとってはかなり迷惑な話。

我が家の屋根には太陽光発電パネルが載っている。そのことは、失敗だったとは思っていないのだけれども、体験してみないと分からない事はある。

これから書くことが正しいかどうかは個人の判断に任せたいけれども、「知らなかった」等という事がないようにしたいね。

最近は、この手のオモチャも結構出回っているので、試しに使ってみると「便利さ」が分かるかも知れない。

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太陽光発電設備設置の性能見積もりのウソ

設置面と角度はしっかり考慮しよう

南向きは必須

太陽光パネルを設置するという場合には、幾つか大切な事がある。

先ずは、当然と言えば当然なのだけれど、北側にパネルを向けて設置するのはNGである。西側、東側向きの設置も効率が下がることを理解しておこう。

大雑把な設置効率のイメージはこんな感じだ。

もちろん、太陽光パネルの品質や特性によっても違いがあるので、あくまでイメージであると理解して欲しい。

で、基本的には南面への設置が望ましい。

東側や西側に設置するのは要注意なのだけれども、もう1つ注意しておきたいことがある。

隣接する家の影を考慮する必要がある。

これは「未だ建築されていない家」のことも考慮する必要がある。

割とありがちなのだけれど、例えば自分の家の南側に敷地があって、家の屋根に太陽光パネルを設置した後で、背の高い家が建っちゃってガッカリ、等という事もあり得るのだ。滅多に無いトラブルではあるが、可能性があるということだけは理解しておく必要がある。

そうそう、北側設置はNGと書いたが、効率は概ね6割程度ということなので、それを理解した上での設置であればOKだろう。

角度の理想は30度

屋根の角度は概ね30度が理想だとされている。

でも、商用の太陽光パネルの設置角度は20度又は10度という事もあるので、効率が大きく違うと言う事ではない。

一応、角度の影響イメージというのはこんな感じで、10度にすると効率95%程度にまで落ちるなどと言われている。逆に大屋根を採用して角度が40度以上になる家もあるのだけれども、これも効率は2~5%程度低下するとされている。

注意して欲しいのは、北海道と九州・沖縄では角度による効率が違うという事である。緯度の高い北国では、勾配がきつい方が効率がたかく、緯度の低い南国では勾配が緩やかな方が効率が高くなる傾向にある。

効率は数%程度の違いだと言われてはいるが、複合要因があるので、できるだけ効率の高い角度の方が良いよね。

風によって受ける悪影響

風の影響を考える

なお、発電用パネルは板状の部材である。

裏側に風が当たるようなことになると、台風の時に屋根から太陽光パネルが剥がれて隣接する家に飛んで行ってしまうようなこともある。重量物なので、当然、被害が発生すれば賠償する責任がある。

よって、最適の角度を求める余り、屋根の角度と違う角度にするなんてことはメリットが薄いのでご注意あれ。

そして、万が一、太陽光パネルが飛んでいき被害を与えた場合に、実は保険は適用されない。

メーカーの施工基準はJIS規格を元にして決められており、秒速60メートルの風速に耐えられる様になっている。したがって、正しい手順で設置されていれば滅多なことで剥がれたりはしないのだが……、不幸にして剥がれて飛んで行ってしまった実例が日本にもある。

こういった場合に保証される保険というのは、実は火災保険などにオプションとして付けられているケースがあるので、保険を見直すのと一緒にそうしたリスクに対応するかどうか、しっかりと見ておこう。

というわけで、台風に対応するという事を考えると、陸屋根への太陽光パネル設置はよくよく注意する必要がある。風で飛ばされるリスクが高いからだ。重石工法と呼ばれる設置方法もあるのだが……、個人的にはオススメしない。地震に弱くなるからである。

飛来物による被害は保険適用

ちなみに、屋根に設置した太陽光パネルに飛来物が飛んできて破損してしまった場合には、保険の適用があるようだ。

その事もしっかり覚えておいて損は無いだろう。

破損したパネルをそのままにしておくと、火災を招くケースもあるのでしっかり注意しておきたいね。

予定通りの出力が出ない

性能見積もりは、あくまで目安

そんな訳で、太陽光パネル設置にあたって、「太陽光パネルを設置するとこんなにも良い事がありますよ」というセールストークで、性能見積もりというか年間維持費用などを計算してくれるサービスがあるのだが……、大抵は「ベストモード」で計算してくれるので、そこまで素晴らしい料金的なメリットが得られないことが多い事を理解しておこう。

メーカーによって価格の幅があるけれども、1kWあたり24万円〜35万円程度が設置費用の目安となる。4kWのパネルを屋根に載せる事を考えると、96万円~140万円程度。これに足場費用などが発生するので、新築のケースで無ければ、これに+50万円程度は見ておかねばならない。

売電収入が得られるとはいっても、初期投資に200万円かけたとすると年間12万円の売電収入が得られると仮定して、ペイできるのは17年後などという事になる。

ところが、売電価格は年々下がるので、10年契約で売電契約をすると10年後には売価が目減り(2021年時点で1kWあたり19円だが、10年前は40円以上だった)することと、パネルの劣化によって10年後には発電効率が1割ほど低下する。

更に、電子機器の部分(後述するパワーコンディショナーなど)は寿命が10年程度なので、これも交換コストとして認識しておく必要がある。

発電した電気を売れないケースがある

もう1つ、コレは滅多に無いケースではあるが、実際にあった事例で、売電収入や日にちによって時間帯によって激減することがあるということを理解しておく必要がある。

どう言うことかというと、これは電気の特性によるのだけれど、電気は水と同じで高い方から低い方に流れる性質がある。水の場合は「水位」が問題となるけれど、電気の場合は「電圧」だね。

例えば、家の近所に大容量の電気を消費する工場があったとしよう。そうすると、電力会社が用意する電気設備は工場が稼働している前提で設計されているので、工場が休みの時間や休日などには電力が消費されなくなる。

そうすると、電圧変動が起こって発電した電力を売電できないなんて事が起こりうる。

実際にあったケースで、電力会社に電話したら「そういうケースは考えられる」と認めたから、希にあることなのだろう。残念な事に、設置した後でないと確認出来ない事象なのだけれど。

停電時のオペレーション

そんな訳で、予定したような売電成果が得られない等と言うことはままある事なのだけれど、運用することを決めた場合には、もう1つ理解しておきたいことがある。

それが、停電時のオペレーションである。

太陽光発電をしているから、停電時に電力が得られる!……等という事にはならない事にご注意頂きたい。

家に、家庭用蓄電池設備を備えてればこの限りではないのだが、停電時には太陽光発電で発電した電力は売電できないし、自家消費もできない。

しかし、自家消費するモードがあって、「自立運転モー」に切り替えをすれば、直流電流を得られる。やり方は説明書に書かれているので覚えておきたい。

そうそう、自立運転モードは1.5kWとか一定レベルの発電量がないと使えないので、晴天時はともかく、曇天や雨天では自立運転モードは使えない。もちろん夜もダメだ。

自立運転機能を使って良かったこと

・冷蔵庫+洗濯機+スマホ4台+テレビが同時充電出来た。
・冷蔵庫、携帯の充電、自宅電話、水洗トイレが使用できて良かった
・冷蔵庫の中の物を腐らせることなく、その後の食料不足(店が営業してない)を気にせず過ごせた。
・自分たちだけでなく、両隣の人にも電力を供給できた。

「Soler」より

こんな声もあるようだが、夜間使えないと言うことは理解しておかないと「欺された!」などという話になる。

そして、「自立運転モード」では売電ができないので、その辺りも理解しておく必要がある。

パワーコンディショナーは消耗品

売電するために必須の機器

さて、太陽光発電にはパワーコンディショナーという電気機器を必要として、これが案外壊れやすい。

パワーコンディショナーの寿命は10年~15年程度だとされているが、保証期間は5年~10年程度で設定されている事が多い。我が家は7年で壊れたので既に交換済みである。

ただ、10年を目安に交換が必要だといわれていて、その費用は交換費用を含めて30万円~40万円程度だとされている。我が家では見積もりをとったら32万円程度だったハズ。

放置しておくと段々劣化していく商品なので、この交換費用も見積もりに入れておかねばならない。

太陽光パネルの寿命は30年というが……

実は、太陽光パネル。ガラスの板の回りに金属製の枠が設けられているのが一般的なのだが、金属枠とガラスの間には樹脂製の部品が使われているケースが多い。

実は太陽光パネルの劣化で一番最初に問題になるのがこの樹脂部品なのだ。

セルの外周が剥がれる、バックシートが膨らむ――樹脂の劣化による不具合
太陽光パネルには、製造時や輸送・設置時、また経年劣化によって、さまざまな不具合が生じる場合がある。こうした不具合や、それを検知するための手法について、ケミトックス(東京都大田区)が評価サービスを通じて得た事例や知見について紹介している。

詳しくは別のサイトを参照して欲しいのだが、こうした劣化が生じるとどうなるか?という話を覚えておく必要がある。

太陽光発電はストリングの繋げ方1つで売電収益が大きく変わる
ストリングとは何か?ストリングの組み方が発電量低下のリスク回避についてご紹介します。発電量を最大化するための「分散型パワコン」や「集中型パワコン」「MPPT」といったパワーコンディショナ―に関する情報など、併せて知っておきたい知識についても豊富にご紹介。

あと、こういうことも知っておくと良いと思う。ストリングという考え方である。

廃棄にも費用がかかる

寿命を全うした太陽光パネルはどうやって処分するの

日本の住宅寿命は30年程度に設定されていて、ローンの方が長いという恐ろしい事になっている方も少なくはないだろう。

尤も、30年といわれる寿命はメンテナンスによって伸ばすことが可能なので、しっかりメンテナンスをすれば住み続けることは可能だろうと思う。

本来は、住宅寿命は100年とか設定しても、十分に対応出来る建築能力はあると思うのだけれど、戦後広がった安くて脆い住宅が増えてしまったことで、平均的な住宅寿命は短いんだよね。

で、30年の寿命であれば、太陽光パネルと一緒に処分する事になるので、住宅を壊すのと一緒に太陽光パネルを廃棄するということで良いと思う。

でも、太陽光パネルだけ廃棄することになると、実は100万円程度のコストを覚悟しなければならないことを知っておかねばならない。そのコスト、どこから捻出しますか?

太陽光パネルの廃棄は、重金属などを含むために産業廃棄物として処分する必要がある。

太陽光パネルの廃棄はどうすればよいか?いくら必要?パネル以外の廃棄は?|太陽光発電・風力発電・スマートハウスの選び方をリベラルソリューションがご提案。
太陽光パネルの廃棄はどうすればよいか?いくら必要?パネル以外の廃棄は?|リベラルソリューションの社員が、どんな事を思い、お客様と接しているか、どんな環境でお客様をサポートする力を強くしているかをお伝えしたい。発電やエネルギーの事だけでなく、目に見えない価値も一緒に提案していく為に。

例えばこんなサイトが参考になるが、ザックリ屋根から取り外しに必要な費用が30万円、屋根の修繕費が、部分修理で20万円~50万円。葺き替えで100万円レベル。運搬費、処分費はパネルの枚数や処分場までの距離によるのだけれども、パネル10枚で2万円+運送費(我が家だと5万円程度のようだ)となるので、大雑把に100万円程度は用意しておかないとダメだよということに。

処分費用も積み立てておこうね。

トータルで幾らかかるの?

というわけで……。

ザックリ計算をしていこう。

初期投資で150万円の太陽光パネルが、30年使えたとしよう。年間10万円の利益があげられたと仮定して、パワーコンディショナー(20万円)の交換を2回。更に撤去費用100万円と仮定しよう。

そうすると、30年で300万円の利益が出て、初期投資+パワコン交換40万円+撤去費用とすると、10万円ほどプラスになる計算になる。チョット予定が狂ってしまうと、大抵はマイナスだね。

屋根がダメージを受けて雨漏りをしたなどと言うことになったら、最悪である。

えー?メリットないじゃん!と、お怒りの貴方。まあ、正直メリットはあんまりないのである。補助金とかを組み合わせてうまいこと導入出来た人なら多少メリットもあるのだけれど、ね。売電の結果をみてニマニマできるのはメリットかも知れないが。

まあ、趣味の範囲で設置してください。

これが僕の現状での結論である。参考にして頂きたい。

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